■アジア

テヘラン観光で見た死神でプロパガンダを考えさせられた

イランの旅はテヘランから始まりました。昭和世代なら分かると思いますが、PUFFYのアジアの純真という歌が流行って、イランアフガン…みたいな歌詞があるんです。知らない人はyoutubeで見てみてください。当時はイランがどこにあるか、そもそも国なのかさえ知りませんでしたが…まさかここを旅するとは…ですよね。

アメリカ大使館跡地について

アメリカ大使館跡地というくらいですから…イランにアメリカ大使館がないのは知っていますか?

つまり、イランとアメリカの国交はないんです。日本で例えるなら、北朝鮮と日本の国交はないので、北朝鮮に日本大使館はありません。それと同じように、日本人には信じられない話かもしれませんが、イランにアメリカ大使館はないんです。アメリカととても密接な日本には少し信じがたい話ですよね。そして、「跡地」ということですから、ずっと国交がなかったのわけではなく、元々はありました。

ちょっと歴史の話になりますが、1979年にイランではイラン革命が起きています。これ、イラン人と話すと、「革命」っていってるのに、時代が逆戻りしたんだよ…って話をします。今だと想像できないと思いますが、元々イランでは女性はヒジャブの着用など必要ないアメリカのような国でした。ちなみにイランは「アラブ」ではありません。ここが他のアラブ諸国とは大きく違います。そしてイラン革命によって、王政がなくなって、イスラムが政権にたちます。それからイランに住む女性はもちろんのこと、たとえ旅行者であっても女性はヒジャブ着用となりました。(例えばエジプトやヨルダンなど他のイスラム諸国ではヒジャブ着用は個人次第

王様が他の国に亡命したことから、イランにあるアメリカ大使館に学生デモが発生して、しまいには大使館に入り込んで占拠してしまいます。(詳しくはググってください)未だ(2019年4月)国交が回復される見込みはたっていません。アメリカ人の友人はイランには一生行けないだろうと話してました(日本人が北朝鮮にツアーで行ってるように、アメリカ人が同じようにツアーでイランに来れるかどうかは知りません)

ただ、私は大学にイラン人がたくさんいるので、10人ほどに聞いたところ10人中、10人がアメリカ人を嫌いなわけじゃないし、これは政府の問題で自分の問題ではないって言っていたので、テレビで言われてることって何なのかなーって思いました。イランに実際言ったときも聞いてみましたが、アメリカ人が嫌いって人は特にいませんでした。

実際の跡地とは

前置きが長くなってすみませんが、テヘランのアメリカ大使館跡地です。
テレビで見たことある人もいるかもしれませんが、大使館前の壁には自由の女神が死神として書かれています。アメリカ=自由はない という象徴なのかと思います。

自分でも驚いたのがこの写真です。これは大使館跡地の向かいのビルに書いてあるのですが、何と日本の事も書かれていました。初めて見たので、心の準備がなかったのですが

アメリカが各国でしてきた悪行が書かれています。例えばベトナム戦争など。アメリカが日本にした事といえば…原爆です。広島と長崎で亡くなった人数といつ起きたかが書かれていました。驚いたのは、これをみているだけで、何となくアメリカって悪い国だなっていう感情が芽生えたんです(そもそも私はあまりアメリカが好きではないですが・・)プロパガンダってこういうことか…と思いました。

日本はアメリカに友好的なので、こういうアメリカを悪く見る記事などを見ることはないと思います。旅しているとたまに日本人は原爆のことを恨んでいるの?と各国の人から聞かれることもあります。日本人は何となくアメリカが好きな人が多いと思いますが、旅をするとアメリカを嫌いな人に結構出会います。アラブ人だけではなく、ヨーロッパの人もあまりよく思っていない人が多いですね。こういって現地に出向いて素の感情を知るのは旅の1つの楽しみでもあります。

日本だと、イランって何か怖い…ってイメージがありますが80か国を旅した中で1位2位を争う人の良い国でした。私はすごくイランが好きになったので、いつか以前の自由なイランに戻れば良いと願います。